Alpine Square / アルパイン広場
8月1日出発「ダハシュタイン&シュラードミング・タウエルン縦走トレッキング・ハイライト 9日間」
このたび、オーストリアのダハシュタイン、シュラードミング&タウエルンという山域を山小屋泊まりでトレッキングしてきました。あまり聞き慣れない場所ですが、実は緑美しい森やきらめく湖、迫力ある山岳展望、お花畑、広大なカルスト台地と、変化に富んだ美しい風景がぎゅっと詰まったとても魅力的な場所なのです。それにもかかわらず、歩いている人は本当に少なくて、とても静かな山歩きが楽しめます。今回のトレッキング中も、すれ違ったのは1日にわずか数人で、まるで私たちが山を貸し切っているような、とても贅沢な気分で歩くことができました。あまり知られていないのが信じられないくらいに、とても美しい場所でした。ぜひ、山好きの皆さまに歩いていただきたい山域です。
湖と緑が美しいシュラードミング
まるで月面世界!ダハシュタインのカルスト台地
ダハシュタインとシュラードミング・タウエルンは、のどかな山岳リゾートであるシュラードミングの町を挟んで、向かい合うように山脈が連なっています。近くの山なのに、2つの山域で見られる風景は全く異なるから驚きです。ダハシュタインは、ダハ=尾根、シュタイン=岩という名の通り、ごつごつとした石灰岩が印象的なカルスト地形が果てしなく続きます。まるで月面に降り立ったかのような風景は、荒々しくも迫力があり、日本では見ることが出来ないカルストの規模に感激しました。荒涼とした景色の中にも、岩の隙間から咲く可憐な高山植物に心癒されながら、迫力あるダハシュタインのトレッキングを楽しみました。
山小屋までもう少し
緑豊かなシュラードミング&タウエルン山塊
一方シュラードミング&タウエルンは、緑と高山植物に彩られた優しい雰囲気が印象的です。牧草地帯では、羊や牛がのんびりと草を食み、時おりカウベルが鳴り響くのどかな風景が広がっていました。いくつかのピークを越えながら縦走し、絶えずアップダウンを繰り返す起伏のあるルートは歩きごたえも十分です。縦走2日目は、歩き始めこそガスで視界が悪かったものの、標高を上げるにつれて雲が切れ、頂上に着くころにはすっかり晴れ渡りました。眼下には、見事な雲海と連なるシュラードミング山脈が姿を現し、私たちはすっかりその風景に魅了されました。目まぐるしく変化する風景に心奪われ、幾度となく足を止め、カメラを構え、なかなか前に進まないほどでした。数日前まで縦走していたダハシュタイン山塊を見渡した際には、改めて「この山一帯を縦走してきたのだ」と充実感に包まれました。
ダハシュタイン山脈を望む
山小屋で乾杯!
トレッキングを終えて山小屋に到着したら、皆さま休憩もそこそこに、テラスに飛び出して乾杯!雄大な景色を眺めながら、仲間と語らう時間は至福のひとときです。また、地元でしか味わえない食を楽しむのも旅の醍醐味です。シュラードミングの町で醸造されているご当地ビール、シュラードミンガーはすっきりとした味わいで皆さまに大好評でした。ビールをレモネードで割ったオーストリアの代表的な飲み物「レモンラドラー」は、アルコールが苦手な方にもおすすめです。絞たての牛乳は、「こんな牛乳ははじめて!」と皆さま声を揃えて絶賛するほど、濃厚な味わいに感激しました。ぜひ、オーストリアの山小屋でお試しいただきたい私のおすすめの1杯です。山小屋は、いずれもお花で彩られていたり小屋の主人こだわりの調度品や写真が置かれていたりと、見ているだけでも楽しい雰囲気で、小屋での滞在も旅の楽しい思い出となりました。
オーストリアと言えば、音楽の都ウィーンやザルツブルク、緑豊かなチロル地方、氷河を抱いたグロース・グロックナーがあまりに有名です。しかし、シュラードミングとダハシュタイン&タウエルン山塊は、こんなにも自然溢れる素晴らしい場所でした。まさにここに、ここにないのは「知名度」のみ。是非とも、多くの山好きの方に知っていただきたいエリアです。
注文するのも楽しいひととき