Alpine Square / アルパイン広場
6月10日出発「スラウェシ島最高峰ランテマリオ山登頂とトラジャ文化に触れる旅 8日間」
秘境インドネシア・スラウェシ島へ
6月10日からインドネシア・スラウェシ島へ行ってまいりました。昨年の9月に私自身が現地踏査に出向き、アルパインツアーの新企画としてこのたび実施されました。スラウェシ島はインドネシアで4番目に大きな島で、かつてはセレベス島と呼ばれていました。今回はスラウェシ島最高峰ランテ・マリオ山(3,478m)登山と、トラジャコーヒーで有名なタナ・トラジャを訪れる内容です。日本を出発し、まずはジャカルタ空港へ。新たなターミナルが完成したばかりなのか、とてもきれいな空港です。国内線に乗り継ぎ、南スラウェシ島州都のマカッサルへ向います。マカッサルは、ビルが建ち並ぶ近代的な都市です。快適なホテルに宿泊して、翌日からの移動に備えます。
苔むした森を見上げる
スラウェシ島・最高峰ランテ・マリオ山(3,478m)登頂
登山口のカランガン村を目指します。途中から4WDに乗り換え、悪路を進み、最奥のカランガン村へ。山小屋に宿泊し、翌日からいよいよ2泊3日の登山が始まります。有名なアラビカ・コーヒーの畑を過ぎ、標高を上がるにつれ傾斜も厳しくなります。根っこやロープを頼りながら進み、油断できない登山道が続きます。ウツボカズラや寄生の蘭など非常に珍しい植生なども見られました。標高差約1,000mを登りきると樹林帯の中のテントサイトへ到着。ポーターが焚火を作り、参加者もスタッフも火の周りに集まり、言葉は通じなくとも、楽しい時間が過ぎて行きました。登山2日目は山頂を目指します。美しく苔むした森を抜け、展望が広がり、さらに岩稜帯を登ると山頂までの気持ちが良い稜線が続きます。天気あまり良くありませんでしたが、無事に山頂(3,478m)に立つことができました。現地ポーターたちは日本人をはじめて見たと話していたので、ランテ・マリオ山に登った日本人は少ないのではないでしょうか。
ランテ・マリオ山頂にて
独特の伝統文化を誇るタラジャ文化
登山後は、のどかな田園風景が広がるタナ・トラジャ地方を訪ねました。イスラム教徒が多いインドネシアではめずらしくトラジャ族の8割はキリスト教を信仰しており、スラウェシ島の伝統宗教である「アルク・トドロ」とも上手く融合した独特な文化が残っています。トラジャ族の人々は、自然界のそれぞれのものに固有の霊が宿るという信仰、アニミズムの信仰を持つ民族です。また舟形家屋「トコナン」が並ぶケテ・ケス村では、インドネシアの民族建築を見学し、古くから鍾乳洞が墓穴として使用されている「ロンダ」や切り立った岩山の岩窟墓「レモ」にも訪れました。
舟形家屋トンコナン
トラジャコーヒーの復活
かつてはオランダ王室御用達に指定されるほど高い評価を受けていたトラジャコーヒーですが、第二次世界大戦がはじまると、農場は荒れ果て、トラジャコーヒーの生産は衰退し、「幻のコーヒー」と呼ばれるほど今日ではあまり市場で見られなくなりました。トラジャコーヒーの復活に大きく貢献したのは日本の会社キーコーヒーでした。荒れ果てた農場を再生し、様々な苦労を経て1978年に日本国内で販売が開始されるようになりました。スラウェシ島では、コーヒーだけではなく島のインフラ整備にも日本企業が大きく貢献したと聞き、同じ日本人として誇らしく思います。現在では良い品質のトラジャコーヒーは輸出されているようですが、ガイドが知っているローカルなお店で品質の良いトラジャコーヒーを手に入れることができました!
上質なトラジャコーヒー