Alpine Square / アルパイン広場
アルパインツアーで行く!ヨーロッパ・アルプス・スキー(ツェルマット編)
やっぱりおすすめ!ツェルマット・スキー!
ツェルマットスキーの魅力は何といっても「マッターホルンはじめ4,000m級の山々を眺めながらスキーができること」です。私も何度か冬のツェルマットを訪れていますが、毎回お天気に恵まれ、美しい白い峰々を存分に眺めてきました。ツアーの目的はもちろんスキーなのですが、スキーをはかずに景色を楽しみにだけに、展望台にたびたび通いました。朝食前にゴルナーグラートまで上がって朝焼けで輝く山々を見たり、夕刻に上がってピンクの空と雲、高峰の影を見たこともあります。
夏にハイキングだと2~3時間かかかるコースを、スキーだと5分もあれば滑り降りことができるので、1日でたくさんの展望ポイントを巡ることができます。マッターホルンもいろいろな角度から見ることができるということです。天候が許せばグレーシャーパラダイス(3,883m)を越えて、イタリア側に滑り降りる事(またリフト、ゴンドラ、スキーでツェルマットに戻ります)ができます。イタリア側からみるマッターホルンは見慣れたマッターホルンとは形が変わり、非常に近く感じるため、お客様から「本当にこれがマッターホルンなの?」とたびたび聞かれます。そうなのです。イタリア側からはマッターホルンはチェルビーノと呼ばれていますが、間違いなくマッターホルンです
イタリア側でチェルビーノをバックに!
ツェルマット・スキーのある1日
ツェルマットでのスキーは、日本のスキーとどう違うのか。行ったことがない方には想像がつかないと思いますので、1月後半のある1日を時間を追って紹介します。
ホテルでゆっくりと朝食を食べ、スキーの準備をして乾燥室へ。乾燥室でスキー靴をはいて、身支度を整え、スキーとストックを持って、9時ごろホテルを出発します。出発時、ホテルの外でも気温は-7℃。しっかり着込んでいるので、風がなければさほど寒く感じません。ホテルの場所によりますが、2~3分歩いて、または巡回バスでロープウェイ、登山鉄道の駅まで移動します。その後、ロープウェイ、登山鉄道で展望台まで移動します。展望台は標高3000m以上あり、ツェルマットは1600mくらいですので、その標高差は1500m以上あり、ただ下りてくるだけでも滑走距離は20kmを越えます。朝早くのスキーは気持ち良いものです。途中で1本滑ったりします。朝のロープウェイは平日でも行列ができていますが、上にあがれば広いスキーエリアに人々は散らばり、人をよけながら滑るという必要はありません。
あまりに気温が低いときには、午前中にも山小屋に入って身体を温めます。ホットチョコレートなどを飲み、暖まります。ランチは天気がよければスネガやリッフェルベルク、イタリア側のチェルビーノなどマッターホルンが美しく見えるレストランのテラスでゆっくりと時間をとります。
午後はちょっと滑って帰ります。帰るといっても、遠いところまで来ていれば、大仕事です。滑って、リフトに乗って、また滑って、バスに乗って・・・と、ホテルには16時頃に戻ります。
スキーを乾燥室にしまって、そのまま買い物に行ったり、お茶をしたり、サウナに入ったり、お部屋で休んだりしていただき、20時頃からホテルで夕食をとります。
時には夕食の前後にツアーリーダーが撮った本日の景色や滑りを撮影した動画を見て、楽しみます。
左手の高い大きな山がマッターホルン。さあ
幅広い年齢層、スキー歴のお客様にご参加いただいています。
今回ご参加いただいたお客様は50歳代~80歳まで幅広い年齢層、スキーも50年以上されている方から、降りる手段として山スキーはやったことがあるがゲレンデスキーは初めてという方、60歳から初めてまだ2年目という方まで、いろいろなスキー歴をお持ちでした。
どのくらいのスキーレベルならご参加できるかというと、ちょっとした急斜面も安全に下りることができ、緩斜面はある程度のスピードで滑ることができれば、格好はどうであれお楽しみいただけます。ツェルマットは急峻な山に囲まれています。ですから、斜面をそのままゲレンデにできたところは少なく、急な所は車道のように急斜面をトラバースし、尾根を巻くようにくねくねとコースをとっています。イタリア側、チェルビニアは広く長いゲレンデがあります。
ツェルマットでは毎日15時を過ぎると下山ラッシュが始まり、狭い道にたくさんの人が集まりますので、人にぶつからないで滑る技術が必要です。また、ロープウェイで展望台に上がってから広いゲレンデに出るまで、短いですが少し狭くて急なところがあります。たいていは迂回路がありますが、迂回路も狭いことがあります。ですから、短い急斜面を安全に下りることができる技術も必要です。
といってもなかなか想像することは難しいと思います。目安としては、日本で中級者コースは止まらないで、上級者コースは止まりながらでも下りてこれればツェルマットでのスキーを安全に十分にお楽しみいただけます。
技術はともかく、体力は?というと、これはあった方がよいです。ツェルマットでも天候がよければ長い距離を滑ることができます。1日に40Km以上滑ったということはよくあります。1本1本をこま切れでなく、長く滑ることがアルプススキーの醍醐味といえますので、私たちもなるべく長く滑っていただけるように案内します。初日、2日目を過ぎ、3日目くらいから人によって太ももに筋肉痛が出ます。今まで滑ったことがない距離を何日も連続で滑るわけですから、筋肉も驚いていると思います。事前の下半身トレーニングとアミノ酸の携帯をおすすめします。また、何日か滑ると省エネルギースキーがおのずと身につきます。
天気の良い日にはテラスでランチ
マッターホルンに向かって、風を切って滑ろう!
近年、カービングスキーという短く幅の広いスキーが普及し、スキーを少し傾けるだけで曲がれるようになりました。そのため、格好はともかく、滑る・曲がる・止まるという基本動作は以前に比べてたいへん簡単になっています。
前回はスキーを初めて2年目という方がいらしたのですが、見ていて不安なく、安全に楽しく滑っていました。スキーはやったことがないという方はまずは日本のスキー場に行って、滑ってみてください。昔はスキーに行ったけど、もう何十年も行っていないという方は、是非スキーを再開してください。
「マッターホルンを見ながら、キーンとした風を切って颯爽と滑る!」このツェルマットでしかできない、幸せな体験を多くの皆さんにしていただきたいと思っています。
広大な斜面を滑る