Alpine Square / アルパイン広場
【今日の花】 サキシフラガ・ロンギフォリア(ピレネーユキノシタ)
サキシフラガ・ロンギフォリア
本日紹介する花はピレネー山脈周辺に固有なユキノシタ属のサキシフラガ・ロンギフォリアです。日本ではユキノシタやクモマグサが同じ仲間です。ユキノシタの丸い葉っぱの天ぷらは野草好きの方に有名ですが、サキシフラガ・ロンギフォリアの葉は、ロゼット状(例えば、たんぽぽの葉の出方)に密集しています。花が咲くまでに5年ほどかかるため、ピレネーの冬の寒さに耐えられる形となっています。わかりやすく言えば、ロゼット(rosette)の語源であるバラの花のような形状で、この形からスペインでは一般に「王の冠」と呼ばれ親しまれています。花は小さな白い花が数百もつき、穂の長さは70㎝~80㎝にもなる大きな植物ですが、葉は根元に密集するため森など他の植物の影となる場所では生存競争に不利です。そのため日当たりの良い岩場の裂け目に根を張ります。標高1,000m程度の山麓から標高2,000mを越える高所まで広く分布しているので、場所を変えれば6月から7月にかけて長い期間花を楽しむことができます。
ピレネー固有の花