Alpine Square / アルパイン広場
【今日の名峰】 ランテマリオ(3,478m)
インドネシア・スラウェシ島
スラウェシ島は、かつてはセレベス島の名前で知られ、赤道直下にあるインドネシア共和国で4番目の大きさを誇る島です。ヒマラヤ造山帯と環太平洋造山帯の接点に位置しているため地形は複雑にねじれており、島はアルファベットのKのような独特の形をしています。トラジャ・コーヒーの産地として有名なタナ・トラジャ地方は、伝統的な船形家屋や岩窟墓など民俗色が濃く漂う人気の観光名所です。また島の生態系は、アジアとオーストラリア両方の動植物が共存していることでも大変興味深く、大陸から隔離され、独自の進化を遂げた固有種も多く生息しています。中でも山岳地帯に棲息する3本の角を持ったイノシシ科の「バビルサ」は珍しい固有種として注目の的となっています。スラウェシ島は平地が少なく、島全体が急峻な山岳地帯で3,000mを越える非火山と11の活火山が併存し聳えています。その中からスラウェシ島最高峰で、地元登山者にも人気が高いランテマリオをご紹介します。
岩壁に造られた墓穴
スラウェシ島最高峰ランテマリオ(3,478m)
スラウェシ島の南に伸びるマカッサル半島には、南北100kmにおよぶマリノ山脈が走っており、その付け根あたりにスラウェシ島最高峰のランテマリオが聳えています。私はインドネシアの島々の最高峰に登るシリーズを計画し、お客様と年1回のペースでひとつずつ登頂を果たし、新企画としても立ち上げました。ランテマリオに関しては情報が少なく、ツアー企画のための下見も十分行いました。山麓のカランガン村に到着し、村を散策していたとき、多くの人だかりができたことは今も忘れません。ほとんどの村人が日本人に初めて出会ったとのことでした。学校や民家訪問など、山奥に住む人々の暮らしを垣間見ることができ、子どもたちは笑顔で溢れていました。登山は2泊3日のテント泊で山頂を目指します。丘陵地帯に広がるコーヒー畑から登り始め、やがて樹林帯へ入ります。ところどころ木の根っこをつかみながら滑りやすい登山道を進みます。山頂に近づくと、まるで日本庭園のような湿原が現れました。山頂には立派なコンクリートポールが立てられ、地元のガイドも一緒に登頂を喜んでくれました。日本ではあまり知られていない山かもしれませんが、秘境好きの方にはお勧めの山です!
展望地から眼下を望む