Alpine Square / アルパイン広場
【エリア紹介】 マウントクック山麓
ニュージーランドの最高峰を仰ぎ見る谷へ
南太平洋に浮かぶ島国、ニュージーランドは、南北に細長い国土の中に多様な景観が凝縮されています。荒々しい山容の火山、氷河と雪を頂いた山脈、澄んだ水をたたえた河川や湖沼、緑豊かな雨林などを各地で見ることができます。それらの多様な自然環境によって育まれた豊かな自然は、世界中の人々を魅了しています。NZの紙幣にも描かれ、この国の自然の象徴の一つとして愛される山があります。最高峰アオラキ(Mt.クック)です。アオラキはNZ南島を背骨のように貫く、サザンアルプスのほぼ中央、3千メートル級の山々が連なる場所に、ひときわ高く聳えています。といっても標高は3,724mと、世界の名峰の中では決して高いわけではありませんが、独特の気象条件から、山頂部は氷河と万年雪で覆われ、麓からは一年を通して荘厳な姿を仰ぎ見ることができます。今回は、この美しい山を望むハイキングの起点になるアオラキ/マウントクック国立公園内のフッカー谷について、ご紹介します。
Mt.セフトンの氷河を眼前に望みながら
名峰の名を冠した美しい花が咲く夏
NZは南半球に位置しているため、季節の廻りは日本と逆です。10月中旬には山々の雪が溶けシーズンが始まります。アオラキを源とするフッカー谷もこの時期から谷間のハイキングが楽しめます。宿泊施設が立ち並ぶマウントクック村からもアオラキは臨めますが、歩いて足を延ばすことで、より間近に、そして迫力の山岳景観を体感できます。お勧めのハイキングは、村から谷をさかのぼり、フッカー氷河の展望地まで往復するコースです。起伏の少ない谷沿いの道からは、アオラキやセフトンなどの氷河を頂く山々や、谷の底を流れる乳白色の渓流を見ながら、ゆったり歩くことが出来ます。10月上旬頃になると谷間の潅木帯に子供の手のひら大の白色のキンポウゲが咲きます。マウントクック・リリーと言う、最高峰の名を冠したこの花は、南島の山地に分布するNZの固有種ですが、ぜひこの場所で見てみたい花のひとつです。フッカー谷ハイキングの他には、セアリーターンズなどの山上の池塘まで登り、フッカー谷とアオラキを大パノラマで楽しめるコースもあります。ぜひ、ニュージーランドの山旅で最高峰の展望地、フッカー谷を訪れてみてください。
フッカー谷に咲くマウントクックリリー