Alpine Square / アルパイン広場
【今日の花】 グレーシャー・リリー(カナダ)
北米の黄色いカタクリ
カナディアン・ロッキーの山麓では雪解けとともにたくさん高山植物が咲き始めます。毎年6月初旬から7月上旬頃までが初夏の花の最盛期となり、シーズンを通して一番多くの花を見ることが出来ます。アツモリソウやアネモネなど可愛らしい高山植物はたくさんありますが、中でもグレーシャー・リリーが日本から来られる高山植物好きの方々にとって一番人気ではないでしょうか。雪解け直後に芽吹き花を咲かせるグレーシャー・リリーは、ユリ科カタクリ属の花。日本のカタクリは紫色ですが、北米のカタクリは黄色です。見頃が1年の内で10日間前後と短いため、この花を目当てに遠くから足を運んでくるハイカーも多いほどです。開花時期は6月中旬から7月上旬、標高2000mの亜高山帯に自生していますが、咲いている場所が限られるため、見つけたときは本当に嬉しくなります。私たちに負けず、カナディアン・ロッキーに住む熊たちもグレーシャー・リリーが大好きで、鑑賞する訳ではないのですが、花から根っこまで余すことなく食べてしまうそうです!熊よりも先に見つけたいですね!
アシニボイン展望のハイキングにて
ハイキング・ガイド
グレーシャー・リリーを観察できるハイキングコースとして一番人気なのがバンフ国立公園のヒーリー・メドウです。このコースは往復15km前後と長丁場になりますが、森林限界を超え、高山帯に出たときの景色はまさに圧巻です。まるで黄色い絨毯が広がっているような、見渡す限りどこまでも続く黄色のカタクリの大群落が待っています。万が一、カタクリの時期をはずしてしまっても、インディアンペイントブラシなど盛夏の高山植物が観察できるのもおすすめです。しかし、私がイチ押ししたい、大好きなグレーシャー・リリーの観察スポットはアシニボイン山麓です!ワンダーパスを越えて、マーベル・レイクの展望地へ行くと、そこにもグレーシャー・リリーの大群落があります。ヒーリー・メドウに比べて圧倒的にハイカーが少なく、ゆっくりと自然を満喫できるエリアで、後方にMt.アシニボイン(3,618m)、眼下にコバルトブルーに輝くマーベル・レイク、そして黄色いグレーシャー・リリーのお花畑が広がっています。この景色は本当に素晴らしく、ぜひ皆さまにもご覧いただきたいです!
ヒーリーメドウとグレーシャー・リリーの花