世界の山旅を手がけて49年 アルパインツアー

英名：Alpine Kidney-Vetch。ヨーロッパ全域、北アフリカ、小アジアに分布するマメ科の花です。ヨーロッパ・アルプスでは6～7月の夏にかけて、標高3,000mまで小石の多い草地、放牧地に生える二年または多年草です。草丈約5～60cmで茎には分枝があり、直立するか斜上して広がり、夏には群生して草原を一面黄色に染め上げることもあります。黄色い花の集合体が放射状に伸びた様子は、名前の通りまるで熊が爪の伸びた手を広げているようでチャーミングです。和名とビジュアルのイメージがぴったりとはまるので、花の名前を覚えるが苦手な私でもすぐになじみ深い花となりました。花色は黄が多く、私がアルプスのハイキング中に出会ったものもすべて黄色でした。ところが、変化の激しい品種らしく花が赤色のものもあるようですので、ぜひ今後出会いたいものです。ヨーロッパ原産といわれますが、現在では日本にも入ってきており北海道を中心に帰化が確認されています。夏、アルプスのアルプ（高原）を彩る様子を見ると、アルプスに戻ってきたことを強く感じて、嬉しくなります。

ハイキング中の一コマ

天空をさすように聳える名峰マッターホルン（4,478m）。本コースは、ヨーロッパ三大北壁のひとつ、マッターホルン北壁を望む絶景のハイキングコースです。まずはツェルマットの街はずれにあるゴンドラに乗ってシュワルツゼー展望台（2,583m）へ。山頂に向かって優美に首をもたげるように伸びるのが北壁（シュワルツゼーから見て右手）です。マッターホルンを回り込むように歩いていくと可愛らしい花々が高原のアルプを彩っているのに出会います。その中にはクマノアシツメクサの群落も見つけることができるはず。時間が許せばぜひ花咲く草原に座ってマッターホルンを見ながらゆったりと休憩を楽しんでみてください。幸せな気持ちになること請け合いです！また、ルート中にある山のレストランでの昼食もおすすめです。レストランからの、北壁がオーバーハング（垂直を超えて庇のように傾斜）する迫力あるパノラマも必見です。歩くごとに変わりゆく山容を楽しむことが出来るのも本コースの大きな特徴です。雄大なマッターホルンと風に揺れるクマノアシツメクサの可愛らしい姿はきっと皆さまのアルプスの思い出になることでしょう。

マッターホルンとクマノアシツメクサ