Alpine Square / アルパイン広場
【今日の絶景】 ドライ・チンネン(ドロミテ)
圧倒的迫力でそそり立つドロミテの岩峰群
イタリア北東部にひろがるドロミテアルプスは、おだやかな草原上から、忽然と垂直の灰褐色の岩峰群がそびえ立つ独特の個性を持った山群です。同じヨーロッパアルプスの中でもスイスやチロルの氷雪の山とは異なり、ごつごつとした石灰岩の岩峰群が林立する景観が特徴的です。絵画のように美しいフネス谷やのこぎり歯のようなガイスラー針峰群、見る方向によって山容が変化する怪峰サッソルンゴ、雪を抱いたドロミテの女王マルモラーダなど、個性ある山々がいくつも点在しています。これらの名峰の中でもひときわ個性的な岩峰が、ドロミテを代表するドライ・チンネンです。ドライ・チンネンという呼び方はドイツ語で、イタリア語ではトレ・チメ・ディ・ラパレードと言います。その名のとおり、チマ・グランデ(2,999m)、チマ・オヴェスト(2,973m)、チマ・ピッコラ(2,856m)の“3つの鋭鋒”で形成されています。今回はドライ・チンネン北壁を正面に眺めることのできる絶景ポイント、ロカテッリ小屋へのハイキングをご案内します。
間近に迫るドライ・チンネン
ロカテッリ小屋から絶景のドライ・チンネン北壁展望
イタリア最大の山岳リゾート、コルチナ・ダンペッツォの街から車でオーロンツォ小屋(2,320m)まで行き、そこからハイキング開始です。途中のラヴァレド小屋までは平坦な道です。左手にはドライ・チンネンが大きな壁となって迫ります。その後20分ほど緩やかに登ると、3つに並ぶドライ・チンネンをのぞむ展望地に出ます。さらにドライ・チンネンを背にして歩きロカテッリ小屋(2,405m)へ徒歩約2時間の行程です。ここまで来ると、ドライ・チンネン北壁を真っ正面に眺めることができます。まさに大迫力の絶景です。特に中央のチマ・グランデ(500m)の北壁は圧巻そのものです。ロカテッリ小屋はドライ・チンネンを登るクライマーのベースとなる山小屋です。ここの食事はどれも美味しく、美食のイタリアならではと言えます。
ロカテッリ小屋付近から