Alpine Square / アルパイン広場
【今日の花】 青いケシ(メコノプシス・ホリドゥラ)
「ヒマラヤの幻の青いケシ」として羨望の花
メコノプシス属は登山家からは「ヒマラヤの幻の青いケシ」として羨望の花ですが、実は青色だけではなく、黄色、赤と三原色を揃えた唯一の花の属、メコノプシス(青いケシ)属で分類も色も多いのが特徴です。最も標高の高い地域(4~6,000m)の夏に咲く青いケシはメコノプシス・ホリドゥラで、ヒマラヤやチベット高原の紺碧の空の色を映したかのような青さが人気です。かつては限られた登山家や探検家、プラントハンターにしか見られることもなかったでしょうが、車道が伸びたことにより、雨期のネパール・ヒマラヤよりもチベット高原の峠越えの際に多く見ることができるようになりました。チベット高原のほぼ全土、ネパール・ヒマラヤ、インド・ヒマラヤ、ブータンの高所に広く分布しています。
シュクラの青いケシ
ハイキング・ガイド:広大なチベット高原の峠を車で越えて出会える場所
チベット自治区の区都、ラサ(約3,600m)周辺で青いケシの花を夏に観察できる場所は、南は聖湖ヤムドクツォに行くために越える2つの峠、カンパラ(4,750m)周辺とギャロラ(4,710m)周辺、東はシガツェとヤンパーチンを結ぶ車道の峠・シュクラ(5,300m)が見事です。写真はここで8月初旬に撮ったホリドゥラで、周辺からはニンチェンタングラ山群のチョムカンリ峰(7048m)を望むことができます。青いケシは群落を作りにくい花ですが、アムド地方のアムネマチン峰(6,282m)周辺の峠では見事な群落を見ることができました。また、東限は四川省のミニヤコンカ山麓から四姑娘山周辺、南限は雲南省の梅里雪山よりさらに南の香格里拉で標高3,400mという低い場所で確認しました。
シュクラ近くから見たチョムカンリ峰