Alpine Square / アルパイン広場
【今日の名峰】 ペルー・ワイワッシュ山群 ヒリシャンカ(6,094m)
ペルーアンデス・ワイワッシュ山群の名峰
本日紹介する山は、ヒリシャンカ(標高6,094m)です。アンデスは、南米大陸の北はコロンビア、ベネズエラから南はチリまで南北7,500kmにわたる、地球上もっとも長い山脈です。最高峰はアコンカグア(6,962m)をはじめ、6,000mをこえる高峰を数多く聳え立ちますが、その中でも中央アンデスといわれるペルーに多くの高峰が集まっています。ヒリシャンカは、ワイワッシュ山群に聳え立ち、ケチュア語で「ハチドリのくちばし」を意味します。ヒリシャンカを望む絶景の展望地はいくつかありますが、その中でお勧めは、ヒリシャンカ東面を望む大きな湖カルアコチャ、そして西面から望むミナパタ峠からです。カルアコチャからは、天気が安定する朝は、太陽がほぼ全面にあたり真っ赤に染まるヒリシャンカをはじめ、ワイワッシュ山群最高峰のイエルパハ(6,634m)や実話をもとにした映画「運命を分けたザイル」の舞台の山シウラグランデ(6,344m)を展望することができます。
カルアコチャからワイワッシュ山群を望む
登頂困難な山
ヒリシャンカは、登頂困難な山としても知られています。1954年オーストリアの山岳隊(ハンス・キンツル)が西面のハウアコチャ側と東面のカルアコチャ側から登攀路を探り、1957年オーストリア山岳隊(ハインリヒ・クライア隊長)が北面のニナコチャからエガーとユンクマイヤーが北東稜から初登頂しました。1967年には東京農工大学隊の田中隊長と加藤隊員が北東稜から登頂しました。1973年には東京露草登高会隊が南東壁の初登頂に成功しました。ヒリシャンカの登頂者は非常に少なく、現在でも難航不落の山としての存在価値を高めています。実際に、カルアコチャ側の東面、ミナパタ側の西面ともに、切り立った鋭峰の貫禄をみせ、他の周辺の山々に比べても、その鋭さは秀でています。
天を突くように聳える