Alpine Square / アルパイン広場
【エリア紹介】 未踏の山が連なる梅里雪山(中国)
雲南省に聳える未踏の山々
梅里雪山(メイリーシュエシャン)は中国の横断山脈の一部として、雲南省に聳える6,000m級の連山の総称で、最高峰のカワカブ(6,740m)や鋭鋒メツモ(6,054m)、怪峰ジャワリンガ(5,470m)などいずれも名峰と呼ぶにふさわしい美しい姿の山ばかりです。これらの山はいずれも未だ登頂者がいない未踏の山として残り、最高峰のカワカブにいたっては1991年に京都大学と中国の合同登山隊が、初登頂を目指すも雪崩によって17人の隊員が全員が死亡するという登山史上最悪の遭難が発生した山としてその名が知られるようになりました。いずれも困難を極める山ばかりですが、山麓の街や車窓からもその姿を望むことができ、ホテルを基点にした日帰りのハイキングでもカワカブから流れる氷河を間近に望む展望地まで歩くことができ、ロッジ泊でめぐるトレッキングではさらに至近距離でそれぞれの山の展望を堪能することができます。シャクナゲの花が咲く5月と紅葉の美しい10月が山旅におすすめの時期です。
尖峰メツモ
伝説の交易路・茶馬古道をたどる
梅里雪山を目指す旅路は伝説の交易路、茶馬古道をたどる路でもあります。茶馬古道は、中国における軍馬の必要性とチベットでの茶の需要により11世紀に生まれた交易路です。茶の産地である雲南のシーサンパンナや四川の雅安から、標高5,000mを超える高原を横断し、チベットのラサへと数千kmに渡って続く過酷な道です。チベットに茶がもたらされた7世紀には道の原形が存在していたと言われ、道の両端は東南アジアやインドへとつながっていたと言われています。北方を通るシルクロードが思想や道徳、文化、創造活動の交流という側面をもっていたのに対し、茶馬古道は交易を実現したいという現実的な願望によって生まれた道と言えるでしょう。梅里雪山の山岳展望はもちろん、麗江などの街の観光、納西(ナシ)族などの少数民族との出会いや、日本ではなかなか食べることができない雲南ならではの食事など、たくさんの旅の魅力がつまったエリアです。ぜひお出かけください。
移動日の車窓からも絶景を堪能