世界の山旅を手がけて49年 アルパインツアー

2日目は4日間のトレッキングのメインイベントともいえる日です。一歩一歩急な登山道を登り、雲霧林帯をぬけ、イチュと呼ばれる稲科の植物が生える灌木帯を上がります。インカトレイル中最高標高となるワルミワニュスカ峠を越え、無事全員で2泊目のキャンプサイト「パカマヨ」に到着です。3日目は「ルンクラカイ遺跡」を抜け、樹林の中にひっそりと佇む「サヤクマルカ遺跡」を訪れます。この遺跡は皆さんにも大好評で、天空に浮かぶ城のような姿にインカ帝国の名残を感じることができました。最終キャンプ地プユパタマルカは好展望地になっており、サルカンタイなどの6,000m峰を眺めることができます。眼下にはマチュピチュ山を見下ろすことができました。いよいよ明日は目指すマチュピチュ遺跡です。

ケチュアの涙と呼ばれるマスデバリア（ラン

「歩いてマチュピチュを訪れたい！」というご希望に応えることができるのがインカ・トレイル・トレッキングです。世界遺産マチュピチュ遺跡には列車か徒歩で訪れる2通りの方法があります。後者はテント3泊4日のトレッキング「インカ・トレイル」を歩きマチュピチュ遺跡を目指します。トレイル上には歩いてしか訪れることができない遺跡が点在し、6,000m級のアンデス山脈の山岳景色や、ランやハチドリなど南米の動植物とともに訪れるトレッカーを虜にします。4日目の午後、太陽の門に到着すると眼下にマチュピチュ遺跡が広がります。お互いに完歩を湛えあい、感動のあまり涙を流す方もおり、インカ・トレイルのハイライトを迎えます。

ウチュピチュ山頂でポーズ！

北米経由でペルーの首都リマへ到着後、翌日一気に標高3,360mのクスコへ。クスコはインカ帝国時代の首都として栄えた場所で、スペインの入植で建物等はスペイン時代の影響が色濃く残りますが、土台の部分や周辺にはインカ帝国時代の息吹を感じることができます。ツアーではクスコ周辺に2連泊し、周辺遺跡などを見学しながら高所順応していきます。「楽しみながら高所順応できるからいいわ！」という声が参加者からもあがります。周辺の村にも訪れ、地元の人々から歓迎を受けました。踊りを踊ったり、農業体験をしたり、3日間たっぷりとペルーの魅力を堪能しました。滞在するホテルもリゾートで南米までのフライトの疲れもすっかりとれました。

クスコ太陽の神殿

インカトレイルはポーターに荷物を預け、日帰り用のザックでトレッキングすることができます。寝袋やマットも準備されており、朝・昼・晩の食事もすべてコックが作ってくれます。今回は14名の参加者に私も含め25名のガイドやコック、ポーターが同行し、総勢39名の大パーティーとなりました。初日はピスカクーチョから谷を詰め、ヤクタパタ遺跡などを見下ろしながらワイリャバンバまで約6時間の行程でした。高山病を心配していた方もすっかりと順応でき無事到着です。キャンプサイトではスタッフが拍手で迎えてくれ、ばっちりと準備されているテントや食堂テントに皆さん感動していました。食事も日本人の口に合いとてもおいしいです。

スタート地点で全員集合！

朝、雲の上に浮かぶ、サルカンタイの眺望を堪能し、スタッフとのお別れセレモニーをしました。日本、ペルー双方の歌を披露し、スタッフとの抱擁で別れを惜しみます。この日はマチュピチュまで標高差約1,000mを一気に下ります。マチュピチュに近づくほど遺跡の作りもより精巧になり、その中をトレッキングルートが続きます。「ウイニャワイニャ遺跡」は“永遠の若さと”という意味でその名前は再生を永遠に繰り返すランの名前からきています。今回は運よくそのランを見ることができました。そして午後14：30、太陽の門に到着しました。残念ながら雨の中の到着となりましたが、涙と雨が織り交じり感動的な瞬間でした。

トレッキング最終日の青空朝食

マチュピチュ村下山後は希望者と村に湧く温泉へ。そして翌日全員でワイナピチュに登頂。さらに今回は一部の方とワイナピチュの手前に聳えるウチュピチュにも登りました。マチュピチュ遺跡の観光やマチュピチュ村の市場でのショッピングも楽しみました。クスコへは天井がガラス張りになった「ビスタドーム」と呼ばれる列車に乗って移動です。列車内ではファッションショーなどもあり大いに盛り上がりました。そして今回のツアーの締めくくりは世界遺産「ナスカの地上絵」のフライトです。前日に海沿いのリゾートに宿泊し、地上絵も無事見ることができました。「今回の旅は今までで最高だった」という感想もあり、素敵な12日間となりました。

ワイナピチュも全員で登りました！