Alpine Square / アルパイン広場
【エリア紹介】 カラコルム山脈(パキスタン)
桃源郷・フンザ
世界第二の高峰K2(8,611m)やガッシャーブルム(8,068m)などのカラコルム山脈の高峰群を望むためには、長大なバルトロ氷河上を歩く長いトレッキングが必要ですが、北部の町フンザ周辺まで車を使って足を伸ばせば、車道脇まで迫る氷河や7,000m級の高峰群を間近に展望することができます。ラカポシ(7,788m)にいたっては車道から5,000mにもおよぶ標高差で迫ります。桃源郷と呼ばれるフンザは農耕を主体としたのどかな生活が営まれ、春になれば杏などの花が咲きほこり、谷一面がピンク色に染まります。また秋になればポプラが黄金色に染まります。フンザ周辺にそびえる白銀に輝く氷雪峰とのコントラストは本当に美しいものです。平出和也さんと中島健郎さんが登りピオレドール賞を受賞したシスパーレや、長谷川恒男さん最期の山ウルタルII峰、北杜夫さんの小説「白きたおやかな峰」の舞台になったディランなど、私たち日本人にとって馴染みの深い山に囲まれたフンザへぜひ一度お出かけください。
あんずの花咲くフンザから望むラカポシ
偉大なる山脈・カラコルム
カラコルム山脈の中でも特に高峰が密集しているパキスタンのグレート・カラコルム。東のネパールヒマラヤと並ぶ世界的スケールの大山脈であり、8,000m峰の数でこそ一歩譲るものの、高峰の密集度ではむしろネパール・ヒマラヤを凌いでいます。さらに、カラコルムは南極などの極地帯を除けば最も長大な氷河が発達している地域のひとつです。カラコルム山脈は中央アジアの5つの国が出会う要に位置しています。延々と550キロの長さで連なるこの大山脈を越えて、南のパンジャブ平原と北の中央アジア高原とを結ぶルートは古くからシルクロードのひとつとして、また仏教伝来の道として、あるいは紀元前4世紀のアレキサンダー大王の遠征などの征服者の証として、南北双方からの数々の異なった民族や文化の足跡が刻まれた舞台であり、興味が尽きることがありません。ぜひご自身の目と身体でその空気を感じてください。
僅か1時間のハイキングで望むパスー氷河