Alpine Square / アルパイン広場
7月22日出発「ピレネー山小屋縦走 トレッキング・スペシャル 12日間」
ピレネー山脈とは
フランスとスペインの国境に沿って、東西約430kmに渡って標高1,000mから3,000mクラスの山々が連なるのがピレネー山脈です。中世のころはイスラム教徒がフランス側に攻め込む際の自然の障害となりました。フランス側、スペイン側ともに、氷河によって形作られた雄大なU字谷や雪や氷河をいだいた山々が多様な自然や美しい景観を成しており、一年を通してアウトドア愛好家を魅了するエリアです。ヨーロッパ・アルプスと比較すると低緯度に位置していて平均標高も低いことから、山麓ハイキングのシーズンはアルプスより一足早い6月上旬頃から始まりますが、今回の縦走トレッキングのコースでは残雪を考慮して、7月下旬から8月にかけての設定になっています。私が同行したのは3つの山小屋に宿泊しながら毎日トレッキングを楽しむスペシャルコース12日間です。
スペイン側の広い谷を歩く
魅力的なピレネーの山小屋
本コースでは、魅力的な3つの山小屋に宿泊しながらトレッキングを楽しみます。フランス側のアユー小屋は、顕著な岩峰ピック・デュ・ミディ・ドッソオ(2,884m)を望む好展望地に建ち、条件がよければ、小屋の眼前の湖に映る“逆さドッソオ”を楽しむことができます。たまたま宿泊日に誕生日を迎えた方がいらっしゃったのですが、小屋スタッフと他の宿泊者数十人が一緒になって「ハッピーバースデー」を合唱してくれ、メンバー全員で感激しました!山小屋泊まりでは、山にどっぷり浸れる魅力はもちろんのこと、地元の方との交流も楽しみのひとつですね。
本コースだけで宿泊するウレット小屋では、残念ながらあいにくのお天気でしたが、たまたま小屋を出発する際に雲の切れ間から見えたフレンチ・ピレネー最高峰ビニュマール峰(3,298m)の展望が素晴らしかったです。小屋の前には草原が広がり、その奥には迫力のビニュマールが聳え立ちます。
アユー小屋から夕焼けを望む
ハイライト「ブレッシュ・ド・ローラン超え」
本コースの一番のハイライトは、日程8日目「ブレッシュ・ド・ローラン超えトレッキング」でしょう。自然にできたとは思えないほど絶壁の顕著な裂け目を目指します。快晴のもとフランス側から出発する際には、これから歩くコースの前半部分が一望でき、気持ちが盛り上がります!トラバースから徐々にガレ場の登りとなり、一部は手でバランスをとりながら登っていき、改装工事中のザラドゥ小屋付近まで上がると、ようやく“ローランの裂け目”が見えてきました。しばらく登りが続いたのでお疲れの方もいましたが、再び皆さんに元気が出てきました!さらにザレ場を登ると、本格的な残雪が出てきたので軽アイゼンを装着。20分ほど残雪を歩いてから軽アイゼンを脱ぎ、最後の岩場を乗り越えたところでようやく“ローランの裂け目”に到着しました!達成感に浸りつつ、フランス・スペインの国境にもなっている裂け目で、ゆったりランチ休憩をとりながら絶景を堪能しました。その後はスペイン側へと下っていきます。他のトレッカーはフランス側だけ日帰りで往復することが多いため、スペイン側に入ると雄大な風景を自分たちだけで一人占めです!広々とした風景やお花に癒されながら歩いていくとようやく宿泊するゴリッツ小屋に到着しました。翌日はスペイン側のトルラへ。世界遺産オルデサ渓谷を歩き、最後は美しい原生ブナの森に癒されて、充実のピレネー・トレッキングが終了しました。
ブレッシュ・ド・ローランへ
バルセロナ観光
ツアーの最後は有名な修道院のあるモンセラットを見学した後、バルセロナに到着しました。夜は伝統舞踊フラメンコ鑑賞へ。人間業とは思えないほどのダンサーの激しい動きや、ときに情熱的に、ときに悲哀を感じさせる演者の表情に引き込まれます。会場がコンパクトなため、前列の方はダンサーの汗が飛んできそうなほどの迫力も素晴らしかったです。翌朝はガウディ設計のサグラダ・ファミリア(聖家族教会)を見学。2026年の完成を目指して、いまも日々建築が続いています。細かく見ていくとキリがないほどのガウディの想い、こだわりが詰まった巨大な建築物は何度見ても圧倒されます。完成した暁にはまた見に行きたいですね。その他にも世界遺産ガバルニー大圏谷でのハイキング、美味しい料理とお酒も満喫しました。山も素晴らしい、山以外も素晴らしい、思い出に残るピレネーの山旅でした。皆さまもぜひ来年はピレネーをご検討ください!
サグラダ・ファミリアの精巧な彫刻に見入る