Alpine Square / アルパイン広場
3月14日出発「至福の南イタリア・ハイキング 紺碧の海と断崖、小さな街を巡る旅 9日間」
南イタリア最大の街、ナポリから旅がスタート
イタリア第3の都市であり、南イタリアの玄関口であるナポリに降り立つと、青い空と陽気な人々が行き交う、私の好きなイタリアの空気が溢れていました。初日は世界遺産に登録されているナポリの歴史地区を散策、代わる代わる様々な国の支配下の元にあった歴史を、ガイドが丁寧に説明をしてくれます。旧市街を東西に別けるスカッパナポリをはじめとして、碁盤の目のように作られた道路や、ナポリの地下街への入口を見学、歴史あるお城やアーケイドなどを廻って散策を楽しんだ後は、ナポリの老舗カフェでエスプレッソ体験をしました。ランチはもちろんナポリ発祥のマルゲリータピザを堪能、一つ一つ窯で焼かれている本場のナポリピッザは、今まで食べたピザの中で一番美味しい!と盛り上がりました。海辺のサンタルチア地区のレストランからは、明後日登山をする、ヴェスヴィオ山もきれいに見えていました。
ナポリ発祥のマルゲリータピザ
カプリ島でハイキング
青の洞窟で有名なカプリ島ですが、カプリブルーの海を眺めながら、島の海岸沿いを歩けるハイキングコースがあることはご存知でしょうか。ギリシャ人からイノシシの形に似ていることからカプロス(カプリ)と名付けられたとか名前の由来と言われています。レモン畑は特大サイズの黄色のレモンが実り、地中海の青い海によく映えます。中心地から舗装された狭い道を通って、ハイキング路に入ります。階段を400段ほど下ったら、石灰岩が削られてできた天然アーチが現れます。ここからは、海岸線沿いにゆっくりとハイキングをして、カプリ島の一日を満喫しました。お土産屋さんでは、レモンのお酒(リキュール)「レモンチェッロ」の試飲もお忘れなく。
カプリ島海岸沿いハイキング
ナポリのシンボル・ヴェスヴィオ山の登山とポンペイ遺跡観光
ナポリ民謡「フニクリ・フクニラ」の歌を聴いたことがある日本人は多いのではないでしょうか。様々なCMの音楽で使われていますが、実はヴェスヴィオ山への観光誘致のために作られた民謡なのだそう。約100年に一度の周期で、大きな噴火が起き、ポンペイをはじめとする周辺の村々は多大な被害を受けてきました。今日では、標高1,000m地点まで車でアクセス、山頂の火口1,160m地点まで気軽に登山を楽しむことができ、ナポリの街と地中海を眺める展望スポットにもなっています。登山の後は、実際に噴火に巻き込まれて都市ごと火山灰に埋もれてしまったポンペイ遺跡の観光に出かけました。ヴェスヴィオ山から約10kmしか離れていない立地で、遺跡からもその近さがよくわかります。長年火山灰の下に埋もれていたことで、遺跡の保存状態が良く、約2,000年以上も前に栄えていた都市の暮らしの跡を見ることができます。良質なフレスコ画もたくさん残っている、必見の遺跡の一つです。
ポンペイ遺跡とヴェスヴィオ山
世界遺産アマルフィ海岸でハイキング
旅の一番のハイライトは、アマルフィ海岸で「神々の道」と呼ばれるハイキングでした。アマルフィ海岸には、断崖絶壁に貼りつくように建てられた小さな村が点在していますが、なかなか広くて平らな土地を探すことが難しい地域です。滞在場所であるアマルフィの村を散策するにも一苦労、階段の上り下りが多く、実際に暮らしている人の苦労が偲ばれます。
断崖絶壁のジグザグ道路を縫うように専用車で高台に上がっていくと、モッツァレラチーズの産地として知られている、「広い土地」という意味の村アジェローラに到着します。アマルフィでも一番大きな村で、ここから「神々の道」ハイキングをスタートします。トレイル途中には、昔の人が暮らしていた洞窟や住居、隣国の海賊が攻めてきたときに利用していた灯台の跡などが残されており、昔の生活の跡を感じながら歩きます。絶景ポイントでは、アマルフィ海岸が続くソレント半島、そして数日前に訪れたカプリ島まで見渡すことができます。ゴール地点のノッチェレの村に近づくと、カラフルなポジターノの村を一望、アマルフィの「神々の道」の名に相応しい素晴らしいハイキングを楽しみました。ローカルな食堂でおいしい地元料理を楽しんだ後は、小さなフェリーでアマルフィの村に戻りました。
アマルフィ「神々の道」ハイキング
南イタリアの小さな村を訪問
旅の後半は、南イタリアの可愛らしい小さな村巡りです。
まず始めに、地球の歩き方にもまだ載っていない「カステルメッツァーノ」を訪問しました。ここは「イタリアで最も美しい村」に選ばれています。こちらも岩山に守られるように村が作られている、異色な光景が広がる村です。何でも、この辺りの村では、海から攻めてきた侵略者から逃れるために、どんどん生活の拠点を高いところに移してきたのだとか。村の高台の岩には、要塞が作られており、敵から村を守っていた様子がわかります。
次の村は、1993年に世界遺産に指定された洞窟都市マテーラです。かつては、貧しさの象徴として知られていた村で、電気や水道のない生活を20世紀まで続けていました。住居環境の悪化からスラム化が進み、政府が介入して、住んでいた人々全員強制的に移住をされられた歴史があります。その後、ゴーストタウン化したマテーラですが、今日では、その残された洞窟住居の歴史的価値が見直され、たくさんの観光客が訪れる世界遺産の街に生まれ変わりました。ツアーでは歴史地区に隣接するホテルに宿泊して、洞窟都市マテーラの雰囲気をたっぷりと味わいました。
最後に訪れた村は、プーリア州にある世界遺産のアルベッロベッロです。トゥルッリと呼ばれる、とんがり屋根の住居が並ぶ可愛らしい村です。小さなとんがり屋根の建物の中は意外に快適で、ひんやりと涼しく、広さもある印象でした。トゥルッリの中のレストランでランチを堪能して、南イタリアの小さな村巡りを終えました。
カステルメッツァーノの村