Alpine Square / アルパイン広場
5月13日出発「ジャワ島最高峰スメル山登頂と絶景の ブロモ山展望、ボロブドゥール遺跡 8日間」
島大国インドネシアでの登山ブーム
インドネシアは約14,000もの島々から成る世界一の島国です。人口も約2億4,000万人と中国、インド、アメリカに次ぐ世界第4位を誇ります。ジャワ島はそのうちの約半数にあたる1億2,000万人が暮らす、世界で最も人口を抱える島です。今回はそのジャワ島の最高峰であるスメル山(3,676m)に11名のお客様と登ってきました。現在インドネシアは若者の間で登山ブームが巻き起こっています。きっかけは記録的ヒットとなった「5㎝」という映画です。内容は大学を卒業した仲間が久しぶりに再会し、スメル山に挑戦することが描かれており、それを見た若者たちが登山をはじめ、更にはインターネットで拡散し、国内の他の山にも一気に登山者が増ええているそうです。今回の登山中も多くの若者登山者に会いましたが、とても気持ちの良い挨拶や、笑顔がとても印象的でした。「なんでスメル山に来たの?」と聞くと、口々に「5㎝」と答えるため、いかに影響力が高いかを思い知りました。
インドネシアの若者たち(スタッフ)と一緒
ジャワ島最高峰スメル山
ジャワ島スメル山には3泊4日のテント泊で登りました。今回のメンバーはお客様が11名、スタッフは登山ガイド4名、コック2名、ポーター23名に私を、加えなんと41名の大グループです。ベースキャンプとなるカリマティ(2,700m)までは緩やかなUPダウンを繰り返し、足慣らしをしながら歩きます。登頂日は標高差約1,000mを1日で往復しましたが、山頂まで圧巻の登りが続きます。特に3,100mの森林限界からは山頂まで一直線にザレ場が続き、急傾斜の連続です。「登っては滑り」を繰り返し、ご参加者からは「滑って登れない!」という言葉が聞こえてきます。とてもハードな登りでしたが、景色はその疲れを吹き飛ばすような美しさで、「きついけど楽しい」山登りとなりました。山頂部はのっぺりとしており、すぐ近くの火口からは約20分間隔で大きな噴火が発生し、天高く噴煙がのぼります。「こんなすごい景色見たことない!」と皆さん興奮気味でした。下りは富士山の大砂走りのように一気に下山です。登りに5時間程度かけましたが、わずか1時間40分でベースキャンプまで下りてきてしまいました。
噴煙を上げるスメル山
神秘の絶景ブロモ山
スメル山の北側に位置するブロモ山は常時噴煙を上げる活火山です。現在そのブロモ山の外輪山の一部である展望台から眺めたブロモ山とスメル山の景観が、インターネットで国内に広がりブームとなっています。今回私たちはジープで火口を快走し、外輪山に位置するチェモロラワンに宿泊しました。翌日は暗いうちに出発し、展望台へ向かいます。展望台はまだ日の出前にもかかわらず既に人だかりができていました。やがて空が白み始めましたが、ここ最近はブロモ山の噴煙が多いらしく、後方のスメル山がなかなか姿を表しません。結局、噴煙の隙間をぬっての撮影となりましたが、皆さん満足されていました。ブロモ山の山頂付近の火口からはもくもくと噴煙を上げる景観は圧巻で、一同感激していました。
プナンンジャカン展望台よりブロモ山
インドネシアが誇る2大世界遺産
ジャワ島のジョグジャカルタには2つの世界遺産があります。ボロブドゥール遺跡は、アンコールワット、パガン遺跡とともに世界三大仏教遺跡の1つに選定されています。スメル山中ではダウンジャケットを着ていましたが、このエリアは標高が低く、歩いているだけで汗がだらだら吹き出します。専門ガイドの案内で遺跡内を歩きましたが、遺跡の大きさに改めて驚きました。ボロブドゥールはオスマン帝国侵入以来、約1,000年間忘れ去られていた遺跡です。続いて訪れたのはコピ・ルアクと呼ばれるコーヒーの最高峰、ジャコウネココーヒー工場です。ジャコウネコがコーヒーの実を食べて胃の中で酵素により分解され、豆だけが排泄物と一緒に出てきます。この一連の流れが気品ある香りを高めます。最後は世界遺産のプランバナン遺跡へ。ガイドの計らいで夕方の涼しい時間帯に訪れました。ここはヒンドゥー寺院ながら仏教遺跡も点在しています。登山と遺跡観光を存分に堪能できた8日間となりました。
世界遺産ボロブドゥール遺跡