Alpine Square / アルパイン広場
3月7日出発「至福の南イタリア・ハイキング 紺碧の海と断崖、小さな街を巡る旅 9日間」
風光明媚なカプリ島の東海岸をハイキング
カプリ島はナポリの南約30kmのティレニア海に浮かぶ風光明媚な小島で侵食された青の洞窟が有名です。青の洞窟へは小船に乗って入りますが入り口は狭く天候に左右されます。今回我々は波が高く生憎小船は出発しませんでした。しかし、カプリの魅力はむしろ島の上部を歩いて上から景色を楽しむことにあります。アナカプリからチェアリフトに乗りソラーロ山の頂上(589m)へ登ると雲も晴れて絶景が現れました。午後は島の東海岸をハイキングし、島の路地からファラリオーニと呼ばれる海食柱の岩礁群を望むコースを巡り、一日カプリ島を歩いて楽しみました。
カプリ島
フニクリフニクラで知られるナポリのシンボル、ヴェスヴィオ山
「赤い火を噴くあの山へ登ろう登ろう。そこは地獄の釜の中のぞこうのぞこう。登山電車が出来たので誰でも登れる。」と歌われる「フニクリフニクラ」は当時の登山電車のCMソングです。1944年の噴火で破壊され廃止されましたが、現在は車で8合目まで行けますからハイカーであれば「誰でも登れる」には変わりはありません。ただし、お鉢巡りは半周ほどトレイルがありますが、1,281mの最高点に行くことは禁止されています。午前中にポンペイ遺跡を観光した際には山頂部は傘雲の中でしたが、山頂部に登るとここでもまた雲は晴れて、ポンペイ遺跡からナポリ、ソレント半島、カプリ島まで見渡すことができました。
ヴェスヴィオ火山
ソレント半島「神々の道ハイキング」
約20年前にアマルフィ海岸を観光で訪れたことがあります。その時、車道がなかった時代の旧道を村から村へといつか歩いてみたいと思ったものですが、それが今回叶いました。その道はSentiero degli Dei「神々の道」として整備され蘇っていました。海と空の間、アマルフィ海岸の景観を600m~400mの上から眺めるボメラーノからポジターノまで約10kmの縦走コースです。今日から急に夏日となり最高のロケーションを歩くことができました。
ソレント半島「神々の道」
南イタリアの小さな街を巡る
旅の後半は、アマルフィ海岸からカステルヴィッテレ・スル・カローレ、カステル・メッツァーノ、世界遺産の洞窟住居サッシで知られるマテーラ、とんがり屋根のアルベロベッロとそれぞれ特徴のある街を訪ねました。
アルベルゴ・ディフーゾとは、Albergo = ホテル、Diffuso = 分散、で離散した集落の複数の空き家を行政などが買い取り改装して分散型宿泊施設とし活用するものです。今回カステルヴィッテレ・スル・カローレという村のアルベルコ・ディフーゾを見学しました。地産地消の食材を提供するレストランを地元の若者が管理しており、各農家を回って探した贅沢な生ハムやチーズを食べさせてくれました。
イタリアで最も美しい村、ヨーロッパの美しい村に選らばれたカステル・メッツァーノは10年程前まではイタリア人にすらほとんど知られていませんでした。南の小さなドロミテと呼ばれる山々に張り付くように集まる家々は要塞として守られたものでもあったのです。村の一番高い場所に登るとその意味が良く理解できました。
世界遺産の洞窟住居サッシで知られるマテーラに夜到着し幻想的な夜景が迎えてくれました。かつて小作農民の住居であったサッシは、南イタリアの貧しさの象徴とされ、新たな集合住宅を建設し住民は強制移住させられました。しかし150以上の石窟聖堂や3,000戸の洞穴住居、地下水路で水を供給するシステムなどが見直され世界文化遺産に指定されたのです。ここでは高台の大聖堂の一部を改造したホテルに宿泊し街をゆっくり歩いて巡りました。
アルベロベッロは白壁に円錐形の石積み屋根の「トゥルッロ」と呼ばれる伝統的な家屋が約1500軒もあり、とてもユニークで不思議な街です。この不思議な家々は入手しやすい材料で気候風土に合った形で発展したとか、領主が王に納める税を逃れるため取り壊しをしやすいような家屋を建てさせたとか、まだはっきりしないようですが、短い訪問であったためなおさら不思議な感覚のままでした。
カステル・メッツァーノ