Alpine Square / アルパイン広場
10月20日出発「インカの古道を辿りマチュピチュ遺跡を目指す旅 11日間」
このたび、「インカの古道を辿り、マチュピチュ遺跡を目指す旅」より帰国いたしました。今回歩いた道は「インカ・クオリー・トレイル」と呼ばれるトレイルです。歩いてマチュピチュ遺跡へと到達する「インカ・トレイル」はたいへん有名ですが、こちらは知る人ぞ知るインカ古道の名トレイルと言えます。クオリーとは、石切り場という意味で、インカ時代、高度な技術で建造物を建設したインカの人々が建築資材として石を切り出された場所です。トレッキングでは、2泊3日のテント泊で石切り場を辿り、多くの人々が行き交った古道を歩きました。実際に石切り場を目の前にすると、「ここにくさびを打って切り出したのね」とか、「こんな大きな石、どうやって運んだのかしら」などの声が聞こえ、インカの人々の建築技術の高さに感嘆せずにはいられませんでした。当時の石工さんへ思いを馳せながら、また多くの人々が往来した道にロマンを感じながら、充実のトレッキングとなりました。
切りかけの石が転がる石切り場
優れた山岳展望のクオリー・トレイル
標高4,400m近い峠を2回越えるトレッキング2日目は、まさにクオリー・トレイルのトレッキングの核心部とも言えるでしょう。息も切れ切れ、やっとの思いで1つ目のチャンカチュコ峠を越えて、思いがけず目の前に秀麗ベロニカの姿が現れた瞬間は、疲れも忘れて歓喜の声が上がりました。雪を抱いたピラミダルな山容のベロニカ山はたいへん美しく、ウルバンバ山群の中でも圧倒的な存在感があります。眼下には、深い谷が広がり、まるでミニチュアのように可愛らしい町が私たちの目を楽しませてくれました。アンデスの山々の大パノラマを望みながら、どこまでも伸びる気持ちの良いトレイルを歩けるのがインカ・クオリー・トレイルの魅力です。驚いたことに、ここでは今でも地下に眠る金銀財宝を狙ってトレジャーハンターが活動しているそうです。実際に私たちは盗掘の穴を見る機会がありました。他にも、崩壊したまま当時の雰囲気がよく残る手つかずの遺跡を見学するなど、探検家になった気分でトレッキングを楽しむことができました。
クオリートレイルの「太陽の門」をくぐる
頼もしいトレッキングスタッフ
2泊3日のトレッキング中は、コックやポーターなど、たくさんのスタッフがサポートしてくれるので安心です。皆さまのお荷物は馬が運びますので、トレッキング中は日帰りハイキングの装備で楽しんでいただけます。また、食事はどれも美味しく食べやすいと毎回好評です。高所順応のためにあまり食べすぎないようにとアドバイスをしていますが、美味しくてついつい食べすぎそうになってしまうほどです。トレッキングを終えてスタッフと別れるころには、すっかり気心も知れる仲となり、名残り惜しくてなりませんでした。お別れの日の朝、素晴らしい展望が広がるテントサイトで、歌の交換会をして、みんなで歌って踊ったのは良い思い出です。集合写真を撮るときに、馬追い担当の犬がひょっこり入ってきて、ポーズを取った時には大笑いが起きました。
お世話になったスタッフとハイ・チーズ!
インカ・トレイル1日ハイキングでいざマチュピチュ遺跡へ
クオリー・トレイルを楽しんだ後は、インカ・トレイルの最後の部分を歩いてマチュピチュ遺跡を目指します。トレイルはこれまでの雰囲気からは一変し、ジャングルのような密林となりました。アマゾン源流の山奥に鎮座し、周囲が深い森に覆われたマチュピチュ遺跡が近づいてきたことを肌で感じた瞬間です。インカ時代に敷かれた道を歩き進めるごとに、マチュピチュ遺跡に近づいているのだという実感が湧き、興奮しました。マチュピチュ遺跡の正門である太陽の門に着いたら、はやる気持ちを押さえ全員で下を向いてくぐりました。「イチ・ニ・サン!」の合図で一斉に顔を上げると、ついに遠く向こうにマチュピチュ遺跡が見えて歓声の声が上がりました。この瞬間は、私も何度ご一緒しても感極まる瞬間で、皆さまと手を取り合って喜びを分かち合いました。
アンデスの山々の展望が素晴らしいクオリー・トレイルと、マチュピチュ遺跡へと続くインカ・トレイル、2つの全く異なる風景に出会えた今回の山旅は、まさに「一度で二度美味しい」トレッキングとなりました。
ついに到着!マチュピチュ遺跡