Alpine Square / アルパイン広場
8月24日出発「デナリ国立公園最深部 キャンプ・デナリ滞在と氷河クルーズ 8日間」
開拓者たちの思いが今に生きる伝説のロッジ、“キャンプ・デナリ”
このたび、アラスカの短く美しい秋を堪能する旅をご案内してきました。アラスカの玄関口アンカレッジから、北米最高峰デナリ(6,194m)の登山基地として知られる小さな町、タルキートナを経由し、美しいツンドラの大地が広がり、グリズリーやムース、カリブーなどの動物たちが生息するデナリ国立公園の奥深くへと入っていきます。そんな大自然の風景に溶け込むようにひっそりと静かに佇むロッジが「キャンプ・デナリ」です。ここはかつてアラスカの開拓者であったジニーとシリアという二人の女性が、この土地にかかわる様々な開拓者たちとともに、長い歳月をかけて作り上げました。ロッジの前の池は二人がここにロッジを建てようと決めるきっかけとなったとてもチャーミングな池で、その向こうに壮大で美しいMt.デナリが聳えています。ロッジ到着時は厚い雲に覆われ見ることができなかったこの山は、まるで挨拶をするかのように姿を現し存在をアピールするので、いつもそこに「偉大なもの」を意味するMt.デナリがあること感じながら、アラスカの雄大な大自然を堪能しました。
キャンプデナリロッジ前からのMt.デナリ
ツンドラの大地と紅葉を楽しむハイキング
ツンドラとは凍った大地に根を持たないコケ類や地衣類などが表面を覆っている極地特有の世界です。ツンドラの言葉の響きから、私は尖ったような硬いイメージを勝手に抱いていたのですが、実は柔らかい絨毯のようなフッカフカな大地でした。そのツンドラの大地では生態系を壊さないように、広大な紅葉の大地のオフ・トレイルを思うままに歩きます。秋のこの時期には様々なベリーがあちこちに実っていますので、見つけては摘んで食べて、また歩いてと、まるで冬籠り前のグリズリーになったような気分です。また、ベアベリーと呼ばれる草紅葉の紅葉もちょうど見頃で美しく、また滞在中、大地の黄葉が日に日に色濃くなり、キャンプ・デナリからの帰りのバスからは、美しい金色の大地が目を奪いました。また、バスの近くまでグリズリーがやってきたときには、皆さん大はしゃぎで大いに盛り上がりました。
ロッジから歩いて紅葉ハイキング
車窓からの景色が美しいアラスカ鉄道
名残惜しくもキャンプ・デナリからデナリ国立公園入口に戻ると、次は鉄道の旅です。南はスワードというキーナイ半島にある都市から、北は内陸の主要都市フェアバンクスまでの約760キロを結ぶアラスカ鉄道は、アラスカの大地を旅する上で欠かすことのできない要素です。デナリ国立公園入口にある鉄道駅から乗車し、タルキートナを経て、アンカレッジまで約7時間の鉄道の旅です。この日はお天気が良く快晴で、素晴らしい展望を楽しむことができ、飽きることがありませんでした。ここでも所々でMt.デナリを車窓から眺めることができ、最後の最後までMt.デナリに見送ってもらったような気分でした。
アラスカ鉄道の車窓から
氷河クルーズ
「アラスカに行ってくるよ~」と言うと、「寒くないの?」とよく聞かれます。まさにそんなイメージどおりのアラスカを味わうとしたら、氷河クルーズはまさにぴったりです。あいにく今回は雨でしたが、幸い霧がそれほど発生しなかったため、迫力ある氷河の姿を眺めることができ、また氷河が崩れ落ちる瞬間にも遭遇することができました。また、水量のある滝が幾筋もダイナミックに流れ落ちる姿は雨の日ならでは。ブルーグレーの景色の中に浮かび上がる氷河の青白い姿はやはり荘厳で美しく、雨も悪くないと思わせる雰囲気でした。
美しいツンドラの紅葉、大自然の中のロッジ滞在、広大な大地を駆け抜ける鉄道、氷河クルーズ、と盛りだくさんのアラスカを存分に満喫できる旅でした。
氷河クルーズ