世界の山旅を手がけて49年 アルパインツアー

日本ではまだまだ知られていない世界の名峰のひとつ。ありきたりなのですが、このオリンポス山を形容するなら一番しっくりくる表現です。標高2,917m、ギリシャ神話において神々の王ゼウスをはじめとする最も力ある12神が住むと言われ、荒々しい花崗岩の山容が特徴的なオリンポス山。今回はそんな最高峰のピークのひとつ、スコーリオ・ピークの登頂を果たしました。見た目の荒々しさとは対照的にしっかりと整備された登山道。一歩一歩着実に足を前に出して行けば、まるでギリシャ神話の神さまたちに受け入れられるように山の中を進んで行けます。もちろん展望は素晴らしく、登山２日目のアタック日、いよいよ森林限界を越えピークへと続く稜線上からの眺めは、まさに絶景の一言。ここまで来れば頂上まであと少し。

もう一つのピーク、断崖絶壁のミティカスピ

展望を楽しみながら稜線を進み、頂上直下の短い登りを詰めると、いよいよ登頂です。頂上にある山頂碑の頭が見えてくると足取りも軽くなってきます。実はこの碑には秘密があって、備え付けられた小さなコンテナの中に寄せ書きノートが隠されているのです。世界各国のトレッカーたちのサインが刻まれており、私たちもそこに記帳してきました。来年ご参加の皆さま、ぜひ私たちの足あとを探してみてくださいね。

登頂の喜びをみんなで分かち合う

ギリシャには１６の文化遺産と２つの複合遺産があり、長い歴史と文化を物語っています。今回は、アポロンの神託と呼ばれる神のお告げが行われた聖域として有名なデルフィ遺跡と、切り立った奇岩の上に建つ天空の修道院群メテオラ、古代ギリシャ文明の象徴とも言えるパルテノン神殿を訪ねました。ギリシャといえば神殿や遺跡観光という印象を持っている方も多いと思いますし、神々の住まう山を訪ねる前にちょっとだけ神話や歴史に触れることでよりオリンポス山登山を印象深いものにしてくれます。ギリシャの人がオリンポス山を見たとき、日本人が富士山に感じるような神々しさを感じているのかな～とつい想像してしまいました。

ギリシア神話の女神アテナを祀るパルテノン

旅の最後は、アテネ近郊に浮かぶイドラ島、ポロス島、アイギナ島の3つに寄港するエーゲ海１日クルーズを楽しみました。エーゲ海と聞くと何を思い浮かべるでしょうか？絵の具で描いたかのような紺碧の海、雪が積もったかのような白い街並み、そんな想像通りの景観が広がると私たち「山」の人も思わず感嘆の声がもれてしまいます。山に海に文化に、まさにギリシャの山旅の決定版と言える本コース。まだ訪れたことがない方はもちろん、観光で訪れた方も、ぜひアルパインツアーでギリシャの山旅へ訪れてみませんか？本当にすばらしい山とおすすめの国なのです。

実は湿気が少なくさわやかなエーゲ海