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2014/06/10 お知らせ

“創業45年の足跡をたどって”〈ヒマラヤ編〉日本から最初の一般募集ヒマラヤ・トレッキング

   Newsletter 2014年6月号
平成26年6月10日 第359号
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文:黒 川 惠  (くろかわ さとし)
アルパインツアーサービス会長

 


〈ヒマラヤ編〉


日本山岳会隊エベレスト登頂の翌年に挙行

 1970年のエベレストは、日本隊として初の登頂を狙う日本山岳会隊と、三浦雄一郎さんのエベレスト・スキー(サウスコルから滑降)隊がほぼ同時に山の中で行動することもあり、マスコミ報道も過熱していた。この頃はすでに世界各国から多くの登山隊がヒマラヤをめざしていたが、とくに高峰が集中するネパールはその筆頭格でもあった。いま、「ヒマラヤ・トレッキング」としてトレッカーが歩むトレイルは登山隊にとってはアプローチであった。その村と村を結ぶ道だけを歩き、山頂をめざさない山歩きが、「トレッキング」と呼ばれていることすら、当時の日本ではほとんどだれも知らなかったのである。
 1969年夏に欧州アルプスでのハイキングツアーが運行され、次の山の舞台として、1971年春にネパール・ヒマラヤでのトレッキングツアーが企画されたわけだが、ヨーロッパもネパールも、海外渡航自由化にともなう一般募集型ツアーとして催行された。


ルクラからタンボチェを往復

 このネパールヒマラヤ・トレッキングのテーマは、「ヒマラヤに造詣の深い専門家」が団長として同行し、サーダーも“時の人”である、チョタレー氏(前年1970年エベレスト日本人初登頂の日本山岳会隊サーダーで、1953年エベレスト初登頂の英国隊の伝説のメールランナー)で、ホテル・エベレストビュー(シャンボチェ)開業初の宿泊ツアーであった。団長は、深田久弥さんの予定だったが出発一ヶ月前に茅ヶ岳で急死されてしまい、当時日本山岳会副会長であった吉沢一郎さんが団長を務めた。
 行程は、羽田からデリー経由でカトマンズ。それから山岳飛行便で当時は滑走路が舗装されていないルクラに入り、そのままジョサレの河原でキャンプであった。途中の集落やナムチェの村には、いまのような洒落たロッジはなく、階下には家畜、その上に人が暮らす典型的なシェルパ・ハウスだけであった。
 この最初のヒマラヤ・トレッキングは、シャンボチェの丘にできたばかりのホテル・エベレストビューの最初のツアー客となり、そこからタンボチェを往復し、エベレスト山群の大パノラマを堪能し、無事下山、帰国した。
 当時は苦労した山中のキャンプも、現代のヒマラヤ・トレッキングではロッジ泊まりで快適に過ごせる。シェルパのふるさとナムチェのロッジは水洗トイレで電柱不要の地下配電で電灯がともる。しかしヒマラヤ山中の暮らしの不便は変わらない。それとまったく変わらないのが、ヒマラヤの大パノラマである。


目的のある山の旅
 
 一つの山旅に明確な目的としての「テーマ性」をもたせることは、海外渡航自由化で盛んになった海外パック旅行の単なる観光旅行とは異なる企画骨子でもあった。とにかく、いままで普通の人が気楽に楽しむことなど想像もできなかった、アルプスやヒマラヤを一般の登山愛好家にも満喫してもらいたい、との思いであった。こうした企画のバックボーンを重視することはいまでもしっかり受け継がれている。山への思いを込めた、熱くほとばしる理念がなければ、顧客との価値観共有はできないと考えているからである。
 わが社の大きな特徴は、山旅の企画者も同行ツアーリーダーも皆が山好きで、その点ではお客さまにひけをとらない、という点である。自分たちの実体験があるから、自信をもって、お客さまをお誘いできるのである。
 1971年の最初のヒマラヤ・トレッキングに同行したツアーリーダーはいまも本社にいる。社長の芹澤健一の脇に座る、古稀を超えた梅津晃一郎である。こうして、連綿とつづく山屋の系譜は、わが社で着々と受け継がれ、その幹をますます太くしてゆくのである。
 

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笑顔のシェルパが待っています。
 

 この秋からのヒマラヤ・トレッキングツアーは7月から8月にかけて発表します。最初の催行から丸43年、シーズンごとに磨きをかけ、工夫と改善を尽くしながら、シェルパチームの協力を得て、ヒマラヤの大パノラマを満喫していただけるよう心がけております。頼りがいのあるツアーリーダーが同行しますから、お一人参加でも安心です。
 この秋からのヒマラヤ・トレッキングにどうかご期待ください。ご参加をお待ちしております。